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ヒンディー語/ヒンディー(Hindi )は、インドの主に中部や北部で話される言語で、インドが制定している公用語の内、一番目に来る(二番目は英語)。インドで最も多くの人に話されており、話者の数は約4億人に上る。日常会話の話者数では中国語の約13億人、英語の約5億1000万人に続き、世界で三番目に多くの人に話されている言語。ただしインド国内の公用人口比率で見ると、話者は約30%しかいない。
言語名
「ヒンディー(Hindi)」のみで言語を表わすため、本来は「語」を付する必要はない。そのため「ヒンディー語」という表記は不正確といえる。その一方で、宗教名を用いた「ヒンドゥー語」「ヒンズー語」という表記は明らかに誤った表現であるが、日本語でインドの言語を表記する場合は一般に、サンスクリット以外は○○語、またはインド・アーリヤ語派では○○ィー語と書かれる。ちなみに、「ヒンドゥー」も「ヒンディー」も「ヒンド(Hind)」の形容詞形である。本来「ヒンド」とはペルシア(現在のイラン)の側からインダス河対岸一帯を指した地域名だったのだが、現在ではその実体は失われ、「ヒンドゥスタン(Hindustan)」(=「ヒンドの土地」の意)などの派生語が残るのみである。
系統と歴史
インド・ヨーロッパ語族インド・イラン語派に分類される。隣国ネパールで話されるネパール語、およびインド国内とパキスタンで話されているウルドゥー語などとも近縁関係にあり、特に後者とは基本的な語彙や文法がほぼ共通しており、言語学的には同一の言語の変種である。そのため大抵の場合それぞれ互いに通じる。
歴史的にはサンスクリット、プラークリットといった古典言語にアラビア語、ペルシア語系の語彙が極めて大量に加わって成立したヒンドゥスターニー語がヒンディー語の前身であり、19世紀頃にウルドゥー語と不完全ながらも分化している(ウルドゥー語がさらに多くのアラビア語、ペルシア語系の高級語彙を取り入れたのに対し、ヒンディー語は一定程度のアラビア語、ペルシア語系の高級語彙をサンスクリット由来の高級語彙で置換させて成立した。ただし、基本語彙まで全て排除することは不可能であるので、現在でもヒンディー語にはかなり多くのアラビア語、ペルシア語の語彙が残存する)。ヒンドゥスターニー語を構成する大きな要素であるアラビア語、ペルシア語、サンスクリットは全て古典語として洗練された言葉であり、高級語彙を提供しうる言語であったこともこのような分離が成功した要因である。但し政治的、宗教的な場を除く日常生活では、インドとパキスタンの庶民ともに実際は両言語の混交したものを使用しており、現代のそれらを総称してヒンドゥスターニー語と呼ぶこともある。
現代ヒンディー語はインド英語とも影響し合って変化を続けている。
多言語国家のインドでは、インドの全公用語をヒンディー語とする運動を進めているが、全く別種の語族である、南部のドラヴィダ語族圏から猛反発が起きており、反対運動に伴い死者を多数出す騒動も発生したため、統一されるメドは全く立っていない状態である。
- 変種
- 東ヒンディー語:ヒンディー語の主要方言の一つ。正統なヒンディー語とされており、ウッタル・プラデーシュ州を中心に話者人口も多い。
- 西ヒンディー語:ヒンディー語の主要方言の一つ。東ヒンディー語よりも話者人口は少ないが、首都ニューデリーを含む地域で話されているため、その影響力は少なくない。
文字
表記には主にデーヴァナーガリー文字が用いられる。インド国内の公共表示では英語式アルファベットに準じたラテン文字表記も併用されることが多く、これはアラビア文字で表記されるウルドゥー語の話者と文書で意思疎通する際などにも多く用いられる。また逆にラテン文字において、デーヴァナーガリー文字風に肉付けしたラテン文字フォントが使われる事も希にある。
デーヴァナーガリー文字での表記
- 表内の左側が母音字(子音が伴わない)、右側が母音記号(子音に付属、M・Hは子音もしくは母音に付属)とする。
- 記号は標準的でないが、ウィキペディア日本版では一応この正書法をとる(京都・ハーバード方式)。
関連項目
- インドの言語
- インドの国語の一覧
- インドの言語の話者数一覧
- ネイティブスピーカーの数が多い言語の一覧
- 言語の分類一覧
- ウルドゥー語 - 文字とイスラム教用語が異なる以外は事実上同じ言語。従って両言語を併せてヒンドゥスターニー語(ヒンズースタン語)と呼ぶ。
- サンスクリット
- アラビア語
- ペルシア語
- ヒンディー語版ウィキペディア
外部リンク